“nøgle(ノイレ)”は“鍵”という意味のあるデンマーク語です。
このページでは、森のようちえん関連、自然保育やウィズ・ナチュラのエッセンスを感じていただけるようなオススメ書籍をご紹介します。
夏休みにオススメの本
2022.7.27.
『ぼくの戦争』
原爆は、そら豆がこげるにおい
著者 秋山勝彦 絵 加茂礼子 出版社 ウインかもがわ
かつて日本で起こった戦争のこと。
この夏、ちょっと読んでみませんか?
著者は現在奈良県奈良市にお住まいの秋山勝彦さん。
5歳の時に広島県で被爆されました。
1945年の8月6日、6人家族で父親は兵隊、上の姉が学童疎開で広島にはおらず、母と小学2年生の姉、5歳のぼく、8ヶ月の弟が家にいました。家の外にいたぼくは、気づくと玄関の扉と共に吹き飛ばされて家の中で倒れており、母や姉、弟と裏山に逃げることになります。途中で出会う大人や子どもたちの死体、そしてそら豆のこげるにおい。8月6日から終戦を迎える15日まで、5歳の秋山さんが体験したことが鮮明に書かれています。散文なので淡々と読めてしまうのですが、こんなに克明に覚えていらっしゃるのかと驚くとともに、これはノンフィクションなのだ、とその事実を見つめることになります。
小学校を経て中学校に入り、そこでクラスメイトと喧嘩をした際に
”原爆の生き残り”
と言われました。それまでは原爆を体験した自分はどんなものにも負けないという自負があったのですが、そのことがあってから、もう絶対人には言わない、一生言わないと思ったのです。
被爆してから50年間、被爆体験を人前で語ることはありませんでした。でも故郷で起こったことは決して忘れず、心のどこかでは原爆の恐ろしさを誰かに聞いてもらいたかったといいます。退職後に語り部として活動を始めたそうです。
77年前の戦争と、2011年3月11日に起こった福島原発事故、そしていま現在起こっている戦争。私たち一人一人は何を思い、行動するのか。
秋山さんのお話を子どもたちと直接聞いてみたいな〜と思う夏の夜です。
年少・年中 保護者 Nancy