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やりたい気持ち

前夜に寝室にゴキ○○が出て、深夜まで大捕物帳を繰り広げてしまい、親子共すっかり寝不足で迎えてしまったお母さん当番。

いろいろ感じなくっちゃ!と一生懸命子どもたちを見つめても、木々を仰いでも、だめだめだった一日。だけど 年長バラさん Sちゃんの“小麦粉粘土教室”はすばらしかった!

 

Sちゃんの「やりたい」から開催が決まった小麦粉粘土教室。

今日はその当日なのだ。

みんなの前に立って堂々と、段取りをプレゼンするSちゃん。きっとイメトレをしっかりしたんだろうな。一人一人声をかけ、保育見学で来た男の子にもボウルをさっと差し出す。気配りもしっかり、すっかりおねえさん。 

四方八方から遠慮なく押し寄せる子どもたちの要望や質問「これどうするのー」「お水いれてー」「緑がいいー」「青がいいー」にも、テンパらず、落ち付いて、必死で頭を働かせながら一つ一つ対応し、そばで見ていたゆかさんが「大丈夫?サポートするよ」と声をはさむとそちらに仕事をふる。

これって大の大人でもなかなかできることじゃない。

Sちゃん、才能あるなあ!

才能って、逃げ出さない粘りとか、つらぬく意志とか、そういうの。 

逃げ出すといえば、Sちゃんといえばお誕生日会など、嬉し恥ずかしくて逃げ出しちゃってたことを思い出し、そのSちゃんが。。。と思うとますます感慨深い。

みんなものすごく楽しそうで、誇らしげに作品を掲げて見せてくれる。

息子Tはと見ると、小麦粉粘土に入らず、年少Hくんとビー玉スライダーづくり。

前日は楽しみに小麦粉を準備してたのに、しないの?と聞くと、べちゃべちゃがいやだから。という。

確かに泥とか嫌う人だけど。

でもみんなが粘土を片付けたあとのテーブルに、Tの小麦粉のタッパーが置いてある。袋から出してある。やっぱりやりたかったんじゃないの?

 

昔から、大ぜいがワッと集まるところには寄りつかないT。(公園のトランポリンとか、子どもが鈴なりで絶対に近寄らない)

そこはまだ変わってないのか?

そこに何があるのか?


帰りの会では、スタッフのぶくんからみんなに投げかけがあった。

男の子達がキャンプ場入口の池でつかまえたトノサマガエル1匹とアカハライモリ3匹、フィールドでウォータースライダーで遊んでいるうちにカエルとアカハライモリ1匹がいなくなってる。

 

彼らにとって、入口からここまではとても遠く、自力では元の場所に戻れない。そして、このへんには茶色い小さいカエルしかいないし、アカハライモリもいない。

ということは、このへんには、トノサマガエルやアカハライモリの食べる餌がないのかもしれないし、天敵がいるのかもしれない。

そうしたら彼らは命を失ってしまう。

そういうことを続けていたら、池の生き物もいなくなってしまう。

それに、スライダーを滑らせたり、捕まえて飛ばせたり、さいきんよくしてるけど、もし自分が大きな鬼につかまって、そんな遊びをされたらどう?

ほかでもない虫博士ののぶくんからの言葉。

みんなにずっしりと響き、ワッといろんな意見が出る。

(当事者の男子達はやや気まずい表情)

「友達と2匹で来たらさみしくないかな」「でも帰れないから困るよね」「鬼こわい」・・・

スタッフゆかさんから「まだ○○くんがしゃべってるよ。人の意見を聞ききってから、自分の意見をいおう」と、ディスカッションのやくそくをまなびつつ。 

すると息子Tが「前、ぼくおかたづけがおそくて、おかあさんが怒って晩ごはんナシになったことあって。。」としゃべりだした。

うわ!いきなりナニしゃべりだすんじゃワレ! あせるわたくし。

「そのとき、すごくおなかがすいたから、カエルさんもおなかがすくのはいやだとおもう。」

いや、1年以上前の話だから!

そんなの1回だけだし!(うちは遊ぶテーブルとごはんのテーブルが同じ)…とかるく言い訳しつつ、そんな前の話を思い出して、のぶくんの話を自分の中に落とし込むことができたことに驚く。

ゆかさんが、小さな生き物と遊んだり、かかわるのがだめなんじゃない、どうかかわるか。 と言った言葉が腑に落ちる。 


実はこの日の朝登園時に、Tが「きのう、おたまじゃくしをスライダーで流して遊んでいたら死んだ。」と話し、前日の、スタッフちひろちゃんのfacebook投稿を読んで、一概に「生き物で遊んじゃダメ!」って言ってはいけないんだな、と思いつつ、うーんでももやもやし、「死ぬ」ってこと、どうなの? わかるんじゃないの?と少しだけ話をしたんだった。

 

シロかクロか、全部ダメとか全部いいとかじゃない。

この日の帰りの会でも、じゃあこうしようとはっきり答えを出したわけではない。

でも子どもたちの中に何かは落ちているし、次の日から何かが変わっているはず。

すぐ目に見えることじゃなくても。

そんなことを思った一日だった。

 

(年長保護者 みほっち)


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