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いざ、行かん!

森のようちえんウィズ・ナチュラの新学期はいつも「トトノエル日」から始まります。

これからまた毎日お世話になる空間(場所)でそこに在る物や人と気持ちよく安全に過ごせるよう、みんなで掃除や整理整頓をします。

空間との繋がりをトトノエル日。

活動に欠かせない物との繋がりをトトノエル日。

一緒に過ごすひとたちとの繋がりをトトノエル日。

私はこのトトノエル日をそのように認識しています。

そんなトトノエル日の朝、起きたら雪がちらほら。

活動予定場所近くに住んでいるスタッフや保護者からは「積もってるよ~」とのメッセージ。

昨夜までの「いざ、行かん!」という緊張感にも似た興奮はいつの間にやら影をひそめ、不安混じりの心模様に。生まれも育ちも南国の私にとって、雪が降っている世界は非日常を通り越したスクリーンの向こう側の景色以外の何物でもなく、その中を運転して雪の降り積もる場所に我が子を乗せて行くのか。。。未経験が故の答えの出ない問いが私の中で繰り返されました。

しかし、娘がどれほど雪の日を楽しみにしていたかだけは分かっていたので「行ける!」の娘の言葉を信じ、行けるところまで行くことにしました。

「やってみたら思っていたほど難しくなかった。」

何度も経験しているはずなのに、そのたび怖じ気づき後ずさりしようとする自分に嫌気がさしながらも、安堵と共に無事到着。

見上げたらまるでスローモーションのように私に向かって飛んでくる白。

見下ろしたらまるで真綿のように温かな雰囲気をたたえ重なり続ける白。

こんなに白い世界。静かな世界。

心がしゅわしゅわする。

子どもたちは外に飛び出した途端、鼓動にまかせて走り出し雪にダイブ!触って感じて体も心も一緒に雪と遊び出す。

降り積もったばかりの雪を歩く足音と子どもが雪と戯れる音だけが響く空き地で、私は雪の結晶で出来たコクーンに閉じ込められたかのような感じがしていました。

夏の間毎日のように川遊びした長滝ひろばではつららに驚き、大人も子どもも雪遊びに集中!

空き地に戻ったら、残っていた子どもたちが近所に住む馴染みのおじちゃんたちと雪祭りの準備?レベルの雪だるまを作っていました。

子どもの「やりたい!」に真剣に応えてくれる大人が周りに居てくださることにいつも感謝で一杯です。

こんなに素敵な日になるなんて、今朝は想像もしていなかった。

白が少し好きになった、冷たさの中の暖かさを知った。

冬学期も、心よ、どうぞ連れて行ってください。

 

ようちえん年中児保護者 クーチェ


森のようちえんウィズ・ナチュラ季刊誌サステナme協賛企業様